繁殖(クレステッドゲッコー)

クレステッドゲッコーの繁殖(ブリーディング)|「精子貯蔵」とカルシウムクラッシュの恐怖

繁殖は非常に容易ですが、それゆえに母体への負担が深刻です。結論から言うと、「一度の交尾で半年以上産み続けるため、メスのカルシウム管理が生死を分ける」ということです。増えすぎるリスクを理解してからペアリングしてください。

本記事の前提条件

  • 適齢期: オス 1年〜 / メス 1.5年〜(体重40g以上推奨)
  • 産卵数: 1回に2個 × シーズン中に6〜10回(計12〜20個)
  • 孵化日数: 24℃〜26℃で約60日〜80日
  • 精子貯蔵: メスは体内に精子を溜め込み、オスなしで産み続けられます。

1. 繁殖の「ステップ別チェックリスト」

  • メスの体重確認(40g以上)
    未熟なメスで繁殖すると、卵詰まりやカルシウム欠乏症で死にます。
  • 産卵床(タッパー+黒土/バーミキュライト)
    湿らせた土を入れたケースを用意します。
  • 孵卵器(インキュベーター)
    特別な機械は不要です。室温(25℃前後)で管理できますが、高温(28℃以上)には弱いので注意。

2. 繁殖の「手順」

手順①:クーリングとペアリング

冬に少し温度を下げ(20℃〜22℃)、春に戻すと発情します。オスをメスのケージに入れ、交尾を確認したらすぐに離します。

手順②:産卵と卵の回収

交尾から約30日後、床材を掘って2個の卵を産みます。上下を変えないように回収し、湿らせた孵化用マットの上に置きます。

手順③:カルシウムの強化給餌

産卵後のメスはボロボロです。いつものフードにカルシウム剤を添加し、さらにコオロギなども与えて急速に栄養を回復させます。これを次の産卵まで(約3週間)に完了させなければなりません。

3. なぜ「カルシウムクラッシュ」が起きるのか?(理由)

卵の殻を作るために、メスは自分の骨からカルシウムを溶かして使います。
補給が追いつかないと、低カルシウム血症(クラッシュ)を起こし、痙攣、顎の変形、そして死に至ります。特にクレステッドゲッコーは連続して産むため、このリスクが非常に高いのです。

4. よくある失敗パターン【※重要】

失敗①:増えすぎて飼育崩壊

1ペアいれば、1シーズンで20匹近いベビーが生まれます。ベビーは共食いするため個別飼育が基本です。20個のプラケースと、それを管理する時間を確保できますか?

5. 繁殖のFAQ

Q1. 卵の性別は温度で決まりますか?(TSD)
A. レオパほど明確ではありませんが、低温(22〜24℃)だとメスが多く、高温(26〜27℃)だとオスが多い傾向があると言われています。ただし確実ではありません。
Q2. 無精卵ばかり産みます。
A. 初産のメスや、栄養状態が悪いメスは無精卵(スラッグ)を産むことがあります。しっかり育ててから再挑戦してください。