【2024年版】ボールパイソン飼育のすべて!初心者から上級者まで必見のコンテンツ

爬虫類蛇類

【2024年版】ボールパイソン飼育のすべて!初心者から上級者まで必見のコンテンツ

提供:管理人 キャリコスーパーブラスト
風に揺れる木々の中で、私は生きる。
静かに進む私の体は、美しい斑点で彩られ、自慢の美を誇示する。
あなたが近づくと、私は優雅に巻き付き、
暖かい体温であなたを包む。
私はボールパイソン、自然に溶け込む存在。
大地を這い、静かに生きることが私の誇り。
私は愛らしく、どこか神秘的でありながら、
自分に自信を持ち、強く生きる。
あなたと共に、穏やかな時間を過ごすことが私の喜び。

ボールパイソンの飼育方法の要点

  • とぐろを巻いた状態で、とぐろの面積の3倍を要する長方形のゲージを使用。
  • アダルト個体は、餌はハツカネズミやラットを週1~2に適した大きさの餌を1回。
  • ベビー個体は週2回で間隔を4日開ける。
  • 床材はペットシーツでも可能。スネークチップがおすすめ。
  • ゲージ内で温度差を作る必要がある為、ヒートパネルが必要。
  • 餌の頻度は低いが、水替えは最低でも二日に一回

購入後の注意点

 よくあるのが「あの店は管理が悪いからなにかの病気を持っている。」など購入後、販売店の悪評をSNSで言う人がいますが、多くの場合、購入者が間違っています。購入後は以下の事を守りましょう。ボールパイソンは餌を食べないのは普通です。1ヵ月経って痩せている場合は病気の可能性がありますが、あからさまに痩せていない場合は自然拒食です。問題ありません。

購入後2週間~1ヵ月は餌を与えない

 購入後の環境変化に伴いストレスを必ず感じます。その為餌を与えると消化出来ず、そのまま死んでしまう例が多いです。誤って与えてしまった場合、ケージの全体温度を平均30℃以上にして、ホットスポットを32℃に設定しましょう。

購入後2週間~1ヵ月は餌を食べない

 先ほど与えないと言いましたが、通常は自ら食べません。また特にお迎え時期が冬の乾燥しているときは購入後半年近く餌を食べない個体が増えます。病気や販売店の原因ではない為SNSで恥をさらさないようにしましょう。

ケージ内温度は1ヵ月毎日監視する

 慎重を期す場合、購入後から1ヵ月毎日ホットスポットとその逆位置の温度を監視しましょう。よくある事故としてホットスポットに使用しているヒーターが故障しており、購入後風邪をひくことが多いです。その風邪を販売店が原因と言っている人が多いですが、購入時から風邪をひいている場合は店が悪いですが、購入後1日たって、口腔内に泡が多い、よだれがあふれているなどの場合は購入者の飼育環境が悪いです。

ボールパイソンの飼育スペースの準備

 成体になると長さ3〜5フィート(約90〜150cm)になるため、飼育スペースの大きさは、最低でもボール状態の幅を1とすると長さがその3倍以上、幅は1倍以上の大きさが必要です。床材には、新聞紙やココナッツファイバーなどのサブストレートが適しています。また、隠れ家や枝などのエンリッチメントを用意してあげることで、ストレスを軽減することができます。狭い空間を好み長方形型の箱型のゲージでの飼育がおおいですが、もちろん体を伸ばす必要があるので定期的なハンドリングをお勧めします。容易な飼育ゲージの決め方としては、飼育ゲージの底面の長辺と短辺の長さを足したものが生体の全長以上であればしばらくはそのゲージで飼育でき体を伸ばすために十分な大きさのゲージと言えるでしょう。

ボールパイソンの温度と湿度の管理及び床材

 熱帯地域に生息しているため、温度と湿度に敏感です。飼育スペース内の温度は、昼間は80〜85°F(約27〜29℃)、夜間は75°F(約24℃)以上に保ちます。温度を管理するためには、ヒーターサーモスタットなどが必要です。湿度は、50〜60%の範囲を維持するようにします。湿度を管理するためには、加湿器や水を散布することが有効です。温度と湿度の管理には、温度計と湿度計を使用し、常にモニタリングするようにしましょう。床材は「ペットシーツ」「ヤシガラ」が主です。「スネークチップ」と言われる蛇専用床材をお勧めします。これは木くずを普通より細かくした床材で、汚れた部位のみを取るだけでいい為、清掃時も他床材より楽にでき、誤って飲み込んでしまっても糞として排出されます。「チプシー スネーク」が有名です。

ボールパイソンのエサと水の与え方

 餌食性で、主にラットやマウスなどの小型哺乳類を食べます。餌として準備されている冷凍マウスや冷凍ラットを適温でしっかり解凍してあげます。成体の場合は、1〜2週間ごとに餌を与えます。餌の大きさは、ヘビの口よりも少し大きいものを選びます。ベビーの場合は、週に2回上げますが、消化に4日かかる為、餌の間隔を4日以上はあける必要があります。解凍したネズミをピンセットで目の前に持っていくと飛びつきます。ヤングからアダルトになる体重約800g程度や、繁殖期及び乾季は拒食行動を示します。その為食べない時は食べませんが、1年食べなくても死なないと言われており、拒食時は体重はさほど落ちません。拒食をし体重が顕著に落ちていく場合は、飼育環境や餌の大きさが原因であり改善すると捕食します。水は、常に飼育スペース内に用意しておき、新鮮な水を定期的に入れ替えます。水の交換は最低でも二日に1回です。多くの蛇同様、餌の頻度は低いですが、水分の摂取頻度は高いです。

ボールパイソンの病気や怪我の予防と治療

 健康であれば病気になることは少ないですが、温度や湿度の管理が不適切な場合は、呼吸器系の疾患や消化器系の問題が発生することもあります。また、ストレスや餌を与えすぎることによって、肥満や消化不良などの問題も起こることがあります。

ボールパイソンのハンドリングについて

 基本的に温厚であまり攻撃的ではありませんが、ヘビにとってのストレスになることを避けるために、取り扱いには注意が必要です。特に、飼育スペースから出すときには、ゆっくりと優しく扱い、急に動かしたりしないようにしましょう。

ボールパイソンのその他情報

 体表の黄色はカロテノイドによる影響であり。餌である、人工繁殖のハツカネズミに多く含まれています。ボールパイソンを含む多くの蛇は本来カロテノイドを必要とするわけではない為、体の黄色の衰退(ブラウンアウト)は穏やかです。カロテノイドは長生きする為に必要と言われる物質です。人間がみかんを食べ過ぎると肌が黄色になるのとほぼ同じ原理です。

ボールパイソンの繁殖方法

ボールパイソンの問題

樹上性?樹上棲?地表性?地表棲?

 特定の国で樹上性なのか、地表性なのかの議論があります。しかし、日本での問題は、地表棲、樹上棲のダブルミーニングと漢字のミスが重なっています。○○せいは生物学、植物学において、「特定の行動時○○に行こうとする」と言う意味で使用します。文中に使う言葉であり名詞としては使用しません。また、極一部のトカゲ類を除き(それらは地表でも産卵します。)ほとんどの爬虫類は地表で産卵し地表で生まれる為、生まれてから樹上に移動し、産卵時地表に移動するなどの、トカゲ類(カメレオン類)を除き、地表性という言葉はあまり使用しません。対し、名詞である「○○せい」は、霊長類、サル類などの特定の生物に使用する生息エリアのカテゴライズであり。爬虫類では使用しません。これらの用語を誤って使用すると人生の90%を巣穴ですごすボールパイソンは地中性となってしまいます。

動物福祉の観点における飼育ゲージ

 複数の国において、スネークラックなどの狭い空間で飼育することを止める活動があります。これらは動物福祉の観点から、体を伸ばす事ができない環境を飼育者が提供しているためです。しかし、ボールパイソンは狭い空間を好み広いゲージであっても捕食時以外は狭い場所から動きません。また、ボールパイソンは広い空間、上り木を用意し、野生環境を模倣すると狂暴化する報告が多数あります。これらの理由により、ボールパイソンの動物福祉における学術研究は批判の的になっています。(日本では研究が行われていないため問題としては大きくありません。)

ボールパイソンの個体の選び方

 ボールパイソンは豊富なモルフから値段の幅も豊富です。ただし、日本においては値段が高いから価値が高いわけではありません。もちろん保持している遺伝子量で値段が決定しているのは他国も同様ですが、それに加えクオリティーや見た目も重視され値段が付けられており、専門店ではブランド価格の物もいます。例えば海外では2万円で取引されている個体であっても日本では10万円で取引されている例は多くあります。値段が高いからいい個体と受け止めるのではなく。値段が高い個体はクオリティーが高い個体として受け止めることをお勧めします。また、ボールパイソンは輸入量も多くマニアが多い為流通量が多いです。ただ、爬虫類店では、仲介やブリーダーからの供給で原価が70%~80%であり。爬虫類店で長い間飼育されている個体は餌代で実質原価割れ、また法律により原価を割った価格で販売できない為値切るのはやめましょう。個人が繁殖されてそれをショップが引き取った場合、通常の流通価格より安価で出されています。

 ボールパイソンにおいてスパイダーと言うモルフは、海外ではイベントでの販売が禁止されており、ベビー個体は拒食傾向が強いです。美しいモルフですが、初心者にはあまりおすすめできません。スパイダーは特定の遺伝子を保持しており、それに加えスパイダーの遺伝子を保持しているコンボモルフの場合スパイダーではなく「ビー」という名前がついています。

それらの規制がスパイダーに適応されている理由として、神経障害を誘発する遺伝子も保持しているというのが理由であり。スパイダー以外でもウォマ(ヒドゥンジンウォマは神経障害をウォマから取り除いた遺伝子)も同様ですが、スパイダーほどの神経障害は出ません。それらの遺伝子以外でも、卵の管理が悪い事や、親の掛け合わせ、血が濃いいなどが原因として普通の個体、遺伝子でも神経障害や奇形が現れます。

 奇形の例では、テールキンクス(尻尾曲がり)、シャークテイル(下あごが短い)など、背骨が陥没しているなどがあります。これらと神経障害は遺伝するとされており、繁殖目的とする場合、大きな問題が発生します。神経障害個体は頭を上を床側に向けている、腹を上に向けているなどがあります。有名な行動として、上を向いて移動する、壁や登り木がない所でも上に上がろうとする。それらの行動は「スターゲイザー」と言われており神経障害の有無の判断をします。また、餌と勘違いして自分に噛みつく場合があります。

 輸入直後の個体では中には骨折している個体がいるとの話を聞きます。日本においては対面販売が義務化されている為、購入する際はじっくりと見てケガがないか見極めましょう。

ボールパイソンの学術研究

 

“Genome sequence of the ball python, Python regius”(2013, Genome Biology)における、ボールパイソンに関する記述または要点です。

  • ボールパイソンのゲノム配列解析を行った。
  • ボールパイソンはニシキヘビ科に属し、アフリカ中央部原産の爬虫類である。
  • ボールパイソンはペットとして人気があり、体長が小さく、飼育が比較的容易であるため、世界中で飼育されている。
  • ボールパイソンのゲノムサイズは約3.4 Gbpで、脊椎動物の中でも比較的小さい部類に属する。
  • ボールパイソンのゲノムには約23,000の遺伝子がコードされており、これらの遺伝子には脳機能や皮膚の色素形成など、様々な機能が関与していることが示唆された。
  • ボールパイソンは、他の爬虫類と比較して免疫系の遺伝子が減少していることが明らかになった。
  • ボールパイソンのゲノム配列解析により、種内の系統関係や進化過程の解析が可能になった。

ギャラリー

記事更新履歴
  • 内容を再編成、繁殖項目を追記、お迎え時の注意点を追記。2024年版に変更しました。(R6.3.23)