【2025年版】ミュラーサンドボア飼育のすべて!初心者から上級者まで必見のコンテンツ

爬虫類蛇類

【2025年版】ミュラーサンドボア飼育のすべて!初心者から上級者まで必見のコンテンツ

提供:管理者 ミュラーサンドボア

 普段は砂の中に潜り、ちょこっと顔を出しています。そんな愛くるしい行動と顔、しっぽを持つミュラーサンドボアにはまってください。

本記事では、ミュラーサンドボアの飼育方法について解説します。生態に関しては別記事で触れるため、ここでは省略します。

飼育方法の要点

  • 飼育スペース:30-45cmの四方サイズのテラリウム
  • 温度管理:ホットスポット32~34℃
    クールスポット(対角)26~28℃
    空間温度 夜間20℃~23℃
  • 湿度管理:30~40%の湿度を維持、水入れを使用。
  • 床材:基本的に砂
  • エサ:小型哺乳類を与え、若い個体は週1回、成体も1週間に1回のペース
  • 水:常に清潔な水を提供し、毎日取り替え
  • 病気:特に心配する病気は報告されていない。

ミュラーサンドボアの概要

ミュラーサンドボア(Eryx muelleri)は、西アフリカ原産の小型で温和な地中棲ヘビです。その扱いやすさとユニークな生態から、近年日本でもじわじわと人気を集めています。

寿命は15年~20年と言われており主に地中に潜ることが好きなペットスネークの中では珍しい行動を行う蛇です。砂漠地帯の蛇と思われがちですが、半砂漠と言われる完全な砂ではなく乾いた土がある草原などの場所に生息します。

オスは30~40㎝、メスは40㎝~60㎝まで成長するとされています。1歳の段階でおおよそ15㎝から30㎝まで成長する、比較的成長速度が速いのも特徴です。

一般的な飼育方法

飼育スペースの準備

 ミュラーサンドボアに適した飼育スペースは、30-45cmの四方サイズのガラス製またはプラスチック製のテラリウムが適しています。床面積が十分に確保されていることが重要です。基本的に爬虫類飼育用の砂を使用して飼育します。通気口がゲージの上方にあるゲージであれば砂が外に漏れません。ゲージ内で砂を飛ばすような行動をしたり、人間の手に対して砂をかけて攻撃を使用とする為、砂が舞うことがあります。比較的簡単に繁殖が行える為、将来ペア飼いを検討している場合ある程度大きな底面を持つゲージをお勧めします。砂を使用しない場合、隠れ家や小枝、植物などで環境を豊かにし、ストレスを軽減させましょう。ですが、観葉植物などの鉢などにも潜ろうとする為、レイアウトは壊れやすいです。オスに比べメスは約1.5倍の長さ、約2倍の太さまで成長します。(性別Ⅱ型制)。潜った際に目だけが出て、体全体を隠せるほどの床材の量が必要です。

指標① 爬虫類用水槽

天井部がメッシュであり尚且つ全面ガラス:

視認性が良く観察がしやすいケージです。砂を床材として使う特性から、天井以外ガラスで天井部が開閉できるタイプが砂が飛び散らずに良いです。最低条件として、長辺の長さはオスの場合最低45㎝、メスの場合は60㎝が好ましいです。(理由は後ほど)

指標② 汎用爬虫類ケース(レプタイルボックス)

レプタイルボックスでも十分飼育可能ですがサイズに注意が必要です。また、床材を厚く入れる関係上、どうしても砂が外に出やすいという難点があります。

指標③ 衣装ケース

その他蛇でもよく利用される無印良品の衣装ケース:

無印良品 ポリプロピレン衣装ケース 小 幅40×奥行65×高さ18cm

視認性は皆無ですが、飼育するという観点のみでは衣装ケースは良いです。ただ衣装ケースを利用して飼育される種類の多くは、繁殖目的の飼育が主であり、ペットという視点で言うと、視認性がないのでおすすめできません。観察を沢山したいのであれば指標①か②をお勧めします。ケースの開け閉めの振動がストレスにつながる為です。

おすすめは指標①

指標②は高さがありません。それほど砂が外に漏れ出る可能性が出てきます。特段床材の厚さを厚くしないのであれば、指標②でも大丈夫でしたが、砂がよく飛び散るので、指標①がおすすめです。

全長を考慮したサイズ選びが重要

蛇の多くで問題視されていますが、蛇は体をなるべく真っ直ぐ伸ばした状態を作れる環境が必要です。これは便秘改善に大きくかかわり、体が常に曲がった状態だと便秘リスクが高まるとされています。最善は長辺=最大成長時の全長に合わす。が良いのですが、長辺+短辺=全長。でもよいと考えられる種類もいます。

砂の中でのミュラーサンドボア

砂の中では体は真っ直ぐではありません。くねくねした蛇行で頭をひょこっと出してます。他の蛇で見られる、ホットスポットとクールスポットを行ったり来たりするような種類ではありません。

床材

小動物の砂浴び場の砂を利用する人もいれば、爬虫類用の砂漠地帯を模した爬虫類専用砂を使う場合があります。野生時の環境を再現するのであれば、日本の公園にある砂場の砂が、現地の砂に似ています。ただその砂場の砂のようなある程度形状が保てる砂は床材としての入手が困難であり、一般的には、先に言った砂浴びの砂や爬虫類用の砂が利用されます。以下は例です。

対してナッツサンドは乾燥系としてはよく使われる床材ですが、粒が大きい為通気性が高いことから良くないのではないかと言われています。おすすめはデザートサンドで、排尿や排便に対して砂が付着して臭いを抑える作用や、液体に対して固まる作用が期待できます。

温度と湿度の管理方法

  • ホットスポット32~34℃
  • クールスポット(対角)26~28℃
  • 空間温度 夜間20℃~23℃
  • 湿度 30~40%

乾燥傾向が強い環境ですが完全乾燥ではありません、それ故、電球などを利用したホットスポットの形成ではなく、ヒートパネルを使用した局所加温を行います。ただし、動物福祉を考慮して自然環境を模すという観点からいうと、砂の下側を温めるより、表層を温めるのが理想と考え一部ではバスキングライトを使用している飼育方法もありますが、それらはかなり大きなケージでヒートパネルと併用して運用されている一般的ではない例である為紹介はしません。

湿度は日本では気にする必要はありません、砂場特有の体の形状をしている関係上、乾燥していても脱皮不全にならないとされています。ただし乾燥傾向の環境の爬虫類は高い湿度で呼吸器系の病気になる可能性が高いとされています。湿度が高い(60以上)場合は気を付けましょう。

※ホットスポットは空間温度ではありません。接地面温度である為一般的な温湿度計で測定しても仕方がありません。非接触型デジタル温度計で測るのが良いですが、特段ミュラーサンドボアはシビアに測定する必要はありません。他の種では厳密な測定をお勧めしていますが、ミュラーサンドボアは床材を厚く入れる関係上特段高すぎても影響は限定的です。精密管理をお望みの場合はホットスポットの場所の砂を避けてその底面の温度を測定することをお勧めします。

エサと水の与え方

エサは、1週間に1回程度、小型の冷凍マウスを解凍し与えます。他の蛇とは異なりピンセットであげるのではなく、エサ入れに入れておくと、翌朝には食べています。待ち伏せ型の捕食形態です。潜っている状態の場合、目の前に出しておけば飛びつきます。水は、常に清潔な水を用意し、水槽内の容器に入れておきましょう。どうしても水の交換が難しい場合は最低二日に1回の交換でも問題ありませんが、足し水は爬虫類にとっては危険なため、水交換時はすべての水を入れ替えましょう。

餌をケージに入れる際は、夕方または夜に入れます。夜行性である為、昼間に餌を置いていても反応する可能性が低くなり、捕食した良くなる夕方から夜は腐っている可能性があります。

野生下では、オスは小型哺乳類とトカゲ。メスは小型哺乳類という観測があります。

病気や怪我の予防と治療

 病気や怪我を防ぐためには、飼育環境の衛生管理と適切な温度・湿度の管理が大切です。定期的に床材を交換し、テラリウム内を清掃しましょう。病気の兆候が見られた場合は、速やかに専門の獣医に相談してください。

 鱗が薄くぷにぷにした体です。そのような種類は傷を負いやすいと言われている為床材は慎重に選ぶことが重要です。脱皮の皮が薄い事からわかる通り、傷の回復は他の蛇より遅い傾向が考えられます。

 日本で販売されている蛇の中では珍しく、砂漠で生息する種類です。それ故、しっぽが特徴的でミミズの様に尻尾が短く太いです。顔か尻尾かわからないほどです。それ故、脱皮の失敗はありません。しかし、床材の砂が経年劣化で岩の様になっていると体への接触面が少なく残る事が考えられます。床材は定期的に交換しましょう。

 

ハンドリングについて

 ミュラーサンドボアは、比較的おとなしい性格のため、適度なハンドリングが可能です。しかし、食事後や脱皮期にはストレスを与えるため、ハンドリングを控えましょう。長く元気に飼育したい場合はハンドリングを行わないことが良いでしょう。ハンドリングをやめた方が良い理由は、砂に潜る個体はストレスの改善方法は少ない為です。また産卵後のメスは非常に気性が荒くなりますが、餌を多く与えることで落ち着いてくるといわれています。

繁殖

ミュラーサンドボアは、繁殖も容易であるため、飼育者によっては繁殖を試みることがあります。繁殖を考える場合は、オスとメスを同じ環境で飼育し、適切な繁殖条件を整えることが重要です。

 通常1-2歳で性成熟し、繁殖可能となります。繁殖シーズンは、通常秋から冬にかけてで、これに合わせてオスとメスを同じ環境で飼育し始めます。繁殖を促すためには、適切な温度・湿度、十分な栄養を確保することが重要です。また、短い冬眠期間を設けることで、繁殖本能を刺激することができます。冬眠期間中は、温度を低く保ち、給餌を減らします。オスとメスが交尾すると、メスは妊娠し、約2-4か月で産卵します。妊娠中のメスは、適切な栄養と快適な環境を維持することが重要です。ミュラーサンドボアは卵生であり、1回の産卵で2-10個の卵を産みます。卵は、適切な温度(約28-30℃)と湿度(70-80%)の環境下でインキュベーターに入れて管理します。孵化までの期間は、約60-90日です。

その他

 基本的に砂の中にいますが、砂から出ていることもあります。特に病気などではなく活動しているだけです。特段病気などを疑う必要はありません。

購入個体の選び方

 販売店が仲介やブリーダーから仕入れる際注意している点は、冷凍の餌を食べるかどうかだそうです。食べないときは生き餌を与えて、冷凍を食べるまで餌付けをしないといけないようです。

 購入時は仕入れ日や冷凍餌を食べれるかどうかを確認して購入しましょう。中にはピンクマウスは食べるがハツカネズミは食べない、またはあげたことがない個体がいますが問題ありません。生まれた時から小さい為、ピンクマウスしか食べれない個体は十分います。給餌でピンクマウスLLを3匹ゲージに入れておくと食べる為問題はありませんが、ピンクマウスLL3個とファジー1匹だとファジーの方が安いので、たまにハツカネズミのファジーやホッパーが食べれるか試してみましょう。

学術研究

 ミュラーサンドボアは、野生種の研究や飼育方法の改善を目指す学術研究が進められています。これらの研究を参考に、飼育方法の向上に努めましょう。

生態

ギャラリー

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