一般的な飼育方法

飼育スペースの準備

ラットは広いスペースで遊ぶことが好きなので、飼育ケージは可能な限り大きく、高さのあるものを選びましょう。ケージには多数の隠れ家や遊び場を設け、立ち上がったり、登ったり、探検したりできるようにしましょう。また、ケージの隙間は小さく、脱走できないように注意してください。オスはメスに比べ1.5倍近く巨大化します。オス複数で飼育する場合は大きめのゲージを選びましょう、共食いが起こります。全面プラスチック製のゲージはすぐに穴をあけてしまいます。特にアクリル製の場合、数分で穴だらけになります。受け皿部分はプラスチック、上部は両サイドは鉄柵でできている物にしましょう。また哺乳類の中でも一番知性が高い動物です。知性を他の動物と比べた場合、犬同等、または犬以上の知性をもち、芸を覚えたり、名前に反応できます。飼い主のゲージの開け方を記憶して、飼い主が不在の時間をわざと狙い脱出します。鉄砲カンを鍵のようにつけて中からはあかないようにしましょう。『SANKO C202 シャトルマルチ R70』というゲージがお勧めです。小動物飼育ケージの中では安価であり5年壊れていません。またほかの小動物でも使用できます。

温度と湿度の管理及び床材

適切な温度は20～26℃、湿度は40～70%が理想的です。床材は、無塵の木製チップや紙製のものがオススメです。香りの強いものや塵が多いものは避けましょう。塵により病気になる事が有名です。猫用のトイレ砂を使う場合は紙製の物であれば、ほこりは舞いません。体が非常に丈夫であるため、20度を下回らない場合はヒートパネル等は不要だと思われます。季節により毛が生え変わります。湿度、温度はよほど下がらなければ問題ありません。しかし、高熱（35℃以上）と高湿度には非常に弱い為注意が必要です。床材として猫のトイレ用砂を使用することが多いです。

エサと水の与え方

ラットには専用のラットフードを与えましょう。バランスの良い栄養分が含まれており、必要なカルシウムやビタミンが摂取できます。また、新鮮な野菜や果物も適量与えて、栄養バランスを整えましょう。水は常に新鮮で清潔なものを用意し、水入れは定期的に洗浄してください。野菜でも昆虫でも肉でもなんでも食べることができますが、一般的にはペレットタイプのハムスターフードで、ラット専用の餌がない時は、ハムスターの餌で代用できますが、食事量も頻度も高い為ハムスター専用品では破産してしまいます。

病気や怪我の予防と治療

病気になる事は珍しい動物です。ただし注意が必要なのは、体の構造はハムスターとは全く異なります。それ故病院では、ハムスターは見れるけど、ラットは見れないと言われることが普通です。

　多頭飼いしている場合喧嘩により怪我をすることがあります。それに伴う病気が発生する可能性があります。代表的なものとして「化膿」があります。ケガをした部位を中心に複数のしこりが発生します。これらは膿が溜まっている物であり悪性腫瘍、陽性腫瘍、陰性腫瘍ではありません。ただ膿が溜まり複数個所に広がってるだけです。化膿か腫瘍か判断する簡単な手段は、しこりが小さい段階では、しこり部位に注射器の針を刺し膿があるかどうかチェックします。膿が針先に付着していたり、針を刺したら黄色の膿が出てきたら、それらは化膿のしこりとなります。また大きくなり皮膚が裂け膿や、非常に臭い匂いがしたら化膿です。逆に腫瘍は皮下で起こる為皮膚が裂けることはほぼないと言われています。化膿の場合他の小動物同様、動物病院では点眼の入れ物に入った抗生剤をもらいます。診断料含め3000円前後です。日本では市販の抗生剤を購入することはできない為、異常を見つけたら動物病院に行きましょう。よくネットでは小動物の診断料は高いと言われていますが、それらは異常に高い値段をネット上で訴えているだけで、通常の診断料ではありません。犬猫の手術などは1回20万を簡単に超えますが、小動物の場合高くても麻酔が必要な手術でも3万円程度で高額になる事はありません。ただし、小動物を診断できる獣医は少ないです。ハムスター同様、人工繁殖の齧歯類で多くみられる悪性腫瘍【癌】を発病します。一度発病した場合生涯を全うするまで何度も摘出手術を行うことになります。手術代金は15000～20000を毎回払うことになります。ただし、ラットの場合はハムスターと比べ発がん率は非常に低いですが、ハムスター自体の発がん率が異常に高いです。それらの理由は餌に殺鼠剤を含んだ農薬が使用された野菜が使用されている事が原因と言われています。それ故、ほとんどの小動物にはその小動物専用の餌が販売されています。市販の野菜の切れ端をあげたりすることはやめましょう。

　老化による病気の発症により死亡確率が80％を超えています。平均寿命2年半といわれているのはこの病気の発症による物です。またオスは老衰での死亡が多く適正飼育の場合3年～4年で死亡します。メスの場合は2歳頃から腫瘍などの病気を発症します。病気にならなかった個体や腫瘍が小さい状態で治療完了している個体などは5年以上生きています。

　私の飼育経験上ですが、メスは100％腫瘍ができます。オスは心臓疾患による浮腫が発症。病気が発現しない場合、下半身がやせ細り運動用の車にのっても後ろ足を引きずりながら滑車を回します。その後穏やかに死を迎えます。メスの場合は腫瘍の場所により早死にするかどうかが決まります。喉回りの場合、ハムスターでも多い、腫瘍による窒息死で急死。乳腺腫瘍の場合、手術または自ら腫瘍を噛み取った場合長生きします。腫瘍ができてもある程度で腫瘍の大きさは止まるのでできたところが運良ければ関係なく長生きします。また、年齢が3歳を超えている場合はハンドリングや病院への移動のストレスで急死したりするため、ある程度の年齢になった場合は扱いを普段より注意しましょう。

ハンドリングについて

ラットは社交的な動物なので、飼い主との交流を大切にしましょう。最初は慎重に手に慣れさせ、次第に持ち上げるようにしてください。一度信頼関係が築かれると、ラットは飼い主に対して非常に懐くことがあります。オスは非常になつきやすいです。犬のように飼い主の手をなめてきます、しかしメスは正反対で、数年の付き合いでも、噛むときは噛みます。特に妊娠中のメスは飼い主の手を身が切れるほど噛んでくる個体がいます。蛇より痛いです。