2024年版アジアアロワナの種類と価格ランキング

観賞魚

2024年版アジアアロワナの種類と価格ランキング

はじめに

アジアアロワナはその色彩の美しさや神秘性から高い人気を誇る熱帯魚ですが、実際には多様な種類が存在し、価格も非常に幅広く設定されています。一般には高価な魚と捉えられがちですが、実はオークション以外のルートを活用することで、比較的安価に入手することも可能です。本稿では、アジアアロワナの種類と価格帯、性格や混泳の可否などについて詳しく解説いたします。

※画像:グリーンアロワナ プラチナタイプ。赤線=側線、数字=鱗列を示します。


1. 購入手段の違い:オークション vs 直売

オークション価格は、しばしば実勢価格とかけ離れています。たとえば、「藍底過背金龍」はオークションでは10万円を超えることが多い一方、直売(特に輸入元からの直接購入)では5万円前後で取引されており、数年前は3万円程度だったこともあります。

一方、同じ「過背金龍」でもオークションでは5万円前後で取引されているケースが多く、これは「藍底」の価値や意味が正しく認識されていないことが主な要因と考えられます。品種による本来の価値を見極めることが重要です。


2. 血統(F系統)による違い

アロワナには、F2、F3、F4といった「F値」による系統区分があります。これは原種(F1またはF0)からの世代数を示す指標で、原種に近いF4個体ほど生命力・発色・成長性に優れ、希少価値も高くなります。

なお、国によっては保護目的でF3までの個体の輸出が禁じられている場合もあります。F値は畜産業の血統管理に端を発する概念で、現在では昆虫や爬虫類飼育にも応用されています。原種に近い個体は性格も野性味が強く、混泳は困難です。


3. アロワナのカラーバリエーション

アジアアロワナは大きく「赤系」「金系」「白系(プラチナ)」の3系統に分類されます。

  • 赤系(紅龍、スーパーレッド):体全体が赤く発色。腹から背中にかけて色が均一に出やすい。
  • 金系(過背金龍、紅尾金龍、高背金龍):鱗の金色の出方が鱗列(第◯列)によって異なる。
  • 白系(プラチナグリーン):希少価値が非常に高い。体全体が白く、他品種にはない透明感が特徴。

金龍系では鱗列の「第何列まで金が出るか」が重要な評価ポイントになります。


4. 鱗に関する基礎知識

  • 鱗列(りんれつ):側線のある鱗が第3列、その上下が第2列と第4列。背中側が第5~6列。
  • 鱗框(りんきょう):鱗の縁取り部分。太ければ「粗框(そこう)」、細ければ「細框(さいこう)」。
  • 基鱗底(きりんてい):鱗の根元部分。色によって藍底・金底・黒底に分類される。

5. 水槽色と体色変化の関係

一般的に、スーパーレッドとグリーンアロワナ以外は水槽の色による体色変化は限定的です。金龍やブルー系では水質(とくにpH値)の影響が強く、藍色を保ちたい場合は弱酸性が望ましいとされます。

ただし、暗い環境での長期飼育はストレスや病気のリスクを高めるため、慎重な管理が必要です。黒水槽の使用は、遮光が関係しPhの低下傾向が強いとされています。


6. 種類別 価格&特徴ランキング

ランク種類名特徴価格帯備考
1位スーパーレッド(血紅龍)全身真紅。宗教的価値も高い。幼魚10万~、成魚80~300万混泳不可。発色で価格変動大。
2位紅龍(レッド)鱗框が赤。発色に個体差あり。約30万~スーパーレッドに次ぐ人気。
3位過背金龍第5列まで金。高級種。通常5万~、藍底4万、ブルーベース6万~気性穏やか。混泳は同種のみ可。
4位紅尾金龍第4列まで金。育てやすい。3万~8万初心者向け。混泳しやすい。
5位高背金龍第4~5列。金色発色に個体差。3万~8万品質にバラつきあり。
6位バンジャールレッド金色にならない紅尾金龍型。2万~3万病弱傾向あり。成長遅め。
7位グリーンアロワナ(青龍)翡翠色。頑健で飼いやすい。2万~3万混泳しやすく初心者向け。

7. 価格上昇に関わる特別形質

アルビノ個体:極めて希少。500万~1000万クラス。日本での流通はほぼ皆無。

ショートボディ/超珍龍:胴が短く、値段は2~3倍に。

ハイボディ/烈龍:体高が高い。ショートボディと重なる例も。

寸詰まり:成長停止型。小型水槽向け。通常の2倍価格。

ビッグテール:尾鰭が非常に大きい。1.5倍価格。ただし奇形の可能性もある。

スプーンヘッド/豚系:独特の体型でコレクター人気が高い。

胸鰭が長い:宗教的・風水的価値あり。特に自然由来の個体は高値。

鱗の知識

 アジアアロワナは目の上から点々が尻尾(後鰭)まで続いています。これを側線と言います。この側線がある鱗を第三鱗列。第三鱗列の上(背中側)は第四、下(腹側)は第二です。金龍の種類はこの側線を基準として何列目まで金色になるかにより異なります。

 鱗の付け根側を『基鱗底』、外側の発色部を『鱗框』といいます。また鱗框の太い個体を『粗框』。細い個体を『細框』といいます。紅龍の場合鱗框の色が濃いほど赤の発色が強くなります。金色の場合、鱗底の色により、藍底、金底、黒底が存在しますはそれら3種は鱗框は金または黒または透明です。鱗框も同色の場合、フルゴールドや特定の○○ブルーなどの名前が付きます。

最大の注意点

 アジアアロワナはよく、この種類は黒水槽が良い、この種類は白水槽が良いなどと言いますが、実際は、スーパーレッドとグリーンアロワナ以外は水槽の色による体色変化を起こしません。金龍やブルー系は水槽の色での体色変化ではなく、水質のPHによる水質変化が主な原因であり、青の発色を強めたい場合は弱酸性にすることが良いとされています。(暗い水槽だと酸性に傾きやすいです。)金龍系で藍をできる限り残したい場合はライトを使用しない真っ暗な状態で飼育すると藍をできる限り残しますが、年齢を重ねると勝手に金色や黒など本来の色になります。暗い水槽の場合、悪性バクテリアの繁殖や目タレの原因、ストレス死亡となる為、注意が必要です。また、藍底過背金龍でも多くの場合成長とともに藍はなくなります。多くのショップでは拒食になることから黒色水槽の使用は推奨しないことが多いです。

実際の値段的ランキング1位~

スーパーレッド(血紅龍)

  • 独自性特徴:赤がとても濃い。全身が赤。
  • 金額的特徴:赤の濃さで値段が付く
  • 成長時特徴:幼体時から赤い個体、30㎝超えて急に白から赤に変わる個体がいる。

 紅龍の高発色体です。紅龍と違いはありませんが、親の発色具合で血統が存在し、その発色の良い紅龍をスーパーレッド(幼魚)で販売されます。幼魚であれば10万程度ですが、その後の成長で鱗の外側を主に赤に発色し、赤の強さ、表現の強さで80万~300万までの値段が付きます。赤の付き方は水質、餌、光で変わるとされ、アジアアロワナは登録から5年以内でしか他人に譲渡できない縛りの影響で、5年以内に高発色をする個体は超高額で取引されます。また、紅龍は縄張り意識がアジアアロワナの中で断トツの強さである為2匹以上、4匹以上でも他種類の魚とでも混泳させることはできません。鱗やヒレがボロボロになり死んでしまいます。前ヒレ(顔に近いエラについているヒレ)が長ければ長いほど商売繁盛の象徴として高値で取引されています。天に昇るアロワナと考えられています。

レッド(紅龍)

  • 独自性特徴:鱗框が赤
  • 金額的特徴:スーパーレッドではない限り定価。
  • 成長時特徴:幼体時から赤い個体、30㎝超えて急に白から赤に変わる個体がいる。

 スーパーレッドは鱗の外から根本(底)まで赤が多く出でていますが、レッドは鱗の外が赤、他は灰色または黒に近い暗い色です。スーパーレッドは富裕層や、店舗の看板魚などで置かれている、宗教的または風水上の価値が高い個体ですが、レッドもスーパーレッドに負け劣らず、素晴らしい個体です。スーパーレッド同様縄張り意識が強く水槽一つに付き、1匹しか入れることができません。1点物としての価値が非常に高い為、スーパーでなくても30万以上の値が付きます。前後ヒレ関係なく赤の発色、背中は幼体時薄い赤、成長に伴い黒または赤で、鱗の根本が黒い場合、べた塗の赤、白の場合、薄い赤になります。

過背金龍

  • 独自性特徴:(背中以外金)第五列鱗まで鱗框が金色になる。ブランドなどの場合は背中(六列)も金になる。(フルゴールドなど)
  • 金額的特徴:ブランドや基鱗底の色により変動。
  • 成長時特徴:アジアアロワナの中では断トツで成長が遅い特に藍が強いとより遅い。

その名の通り第5列まで金になること(過剰に背中が金)がほぼ保障された種類です。 背中は細く黒くなり他の部位は幼魚は白または黄色から成長に伴い、青、その後金色になります。後部ヒレ3枚の内上1枚は黒(青)2枚目は半分またはすべて赤、3枚目は赤です。ブルーベースの場合、青に変色後青を残す確率が非常に高く。藍底は鱗の根本が青外側は黒または白、金底は根本も外側も金色になります。通常の過背金龍は下から5列目までの鱗が青または金色の個体です。幼体時、または30㎝になる前から金色を発色している個体は、成長に伴いほとんどが金色になり得る種類の為高額で取引されます。その為、幼体時白より幼体時黄色の方が価格が高い傾向にあります。

 過背金龍の注意としては、どのようなライト、水槽を使用しても青色で金色にならない個体を「ブルーベース」、どのようなライト、水槽でも鱗の根本が青い個体を藍底とされていますが、幼体時なるべく暗い環境で飼育し、通常の過背金龍でも鱗に藍を残す飼育方法もありますが、成長に良くないとされています。

 鱗5列目までが青または金色の個体は5万前後、ブルーベースは6万前後、藍底は4万前後です。また、6万前後にも関わらず、ブルーベースでも藍底でもない場合は全身が青または金色に成り得る血統の個体(フルゴールド)です。同種混泳しやすい個体として有名ですが、過背金龍同士なら混泳しやすいですが、他の種類がいる場合、過背金龍はアジアアロワナの中で一番気弱な為ストレスで消化不良や病気にかかり死んでしまいます。混合させる場合は同じ過背金龍か、同じ程度の気性の紅尾金龍、気弱なブラックアロワナなどにしましょう。成長速度も遅い事から混泳させる時は過背金龍が一番大きい状態にする必要があります。

紅尾金龍

  • 独自性特徴:第四列鱗まで鱗框が金色になる。
  • 金額的特徴:インドネシア情勢により変動。最低3万まで下がる。平均6万~8万。
  • 成長時特徴:成長速度が速い。気性が穏やか。病気に強い

 後ろ三枚のヒレの内上が黒、真ん中が半分黒またはほとんど赤、三枚目が赤。過背金龍はマレーシアンゴールデンという名前ですが、紅尾金龍はインドネシアゴールデンで産地違いです。過背金龍と異なり下から4枚目までが金色になりますが、過背金龍と異なり、育て方や血統での、全身青、または金色とはなりません。仕入れも2万~3万で輸入元から購入できます。アジアアロワナの中では紅龍に次ぎ2番目に巨大化しやすい種類です。過背金龍を青くしたい、全身金色にしたいという願望を持っていないのであれば、過背金龍と紅尾金龍は変わりない為、安価で大きくなる紅尾金龍を飼う人が多いようです。餌食いも良く混泳できる種類も多い事から初心者にお勧めです。大型ペットショップでも6万を超えることは少ない安価な個体です。また、他の種類と混泳させたい場合でも紅尾金龍は成長が早い事から、紅尾金龍を一番大きいサイズにしておくと、他の種類同士は喧嘩しなくなると言われています。最大の注意点としては紅尾金龍の原種血統は紅龍並みに気性が荒いので、多種との混泳はできません。

高背金龍

  • 独自性特徴:第四列鱗~五列鱗まで鱗框が金色になる。(大体4列まで)
  • 金額的特徴:インドネシア情勢により変動。最低3万まで下がる。平均6万~8万。
  • 成長時特徴:成長速度が速い。気性が穏やか。病気に強い

 紅尾金龍と過背金龍の混合種です。ですが、高背金龍と高背金龍の組み合わせで生まれている物にのみ高背金龍と名前が付くので、紅尾金龍や過背金龍が生まれてくることはないようです。紅尾金龍ほど赤くならないが、紅尾金龍より金色になりやすいといわれていますが、昨今は金色の発色を一切しない個体が多いようです。その為高背金龍を買う際は有名なブランドが良いとされていますが、幼体時から金が多い個体は安定して金の発色をします。青みが強い個体も金になりやすいです。

バンジャールレッド

  • 独自性特徴:後方三鰭が赤か黄色、または混合で尚且つ鱗の基鱗底が白っぽい。
  • 金額的特徴:安定して2万~3万程度で販売されている。
  • 成長時特徴:病気に弱い個体が多い。成長が遅い。

 黄龍(バンジャール)と紅龍(レッド)の混合種です。紅尾金龍の金色にならないバージョンと覚えておくと、見た時に判断しやすいです。バンジャール自体は価値が低いことから日本に輸入されることはほぼありません。バンジャールは尾がイエローテール、レッドテール、グリーンテールがいます。病死しやすく、成体の映像はかなり少ないです。特にPHショック、多種との混泳でのストレスによる消化不良が多いとされています。値段は2万~3万でアジアアロワナとしてはグリーンアロワナ同様の価格で販売されています。30㎝を超える亜成体、成体の場合、6万~8万で取引されます。それほど病気に注意しながら飼育しないといけないとされています。輸入元により病気に対する弱さなどに差が大きいですが、病死しやすいといわれています。鱗が赤になることはほとんどありません。鱗が赤になる場合は希少個体として考えられています。

グリーンアロワナ(青龍)

  • 独自性特徴:後方三鰭が黒か黄色、または混合で尚且つ鱗の基鱗底が緑っぽい。
  • 金額的特徴:安定して2万~3万程度で販売されている。
  • 成長時特徴:気性が荒い。食欲旺盛。病気になりにくく水質変化に強い。

 多くの地域で生息するブラックバス的な立ち位置のアジアアロワナです。アジアアロワナの中では紅龍に次ぎ2番目に気性が荒いアロワナで、混泳させる際はグリーンが一番小さい状態が好ましいです。アジアアロワナ以外との混泳では全く問題が起こらないと言われています。病気や劣悪環境に非常に強く1匹しか飼育する予定のない初心者にはとても飼育しやすい個体とされています。成長に伴い鱗の根元から真ん中まで翡翠色(ミドリ)外側は白になります。グリーンアロワナにはプラチナタイプ、プラチナ、ノーマルの3種類が存在します。販売されているグリーンアロワナのほとんどがプラチナタイプと言われる、プラチナに似せる為に白水槽で飼育されている個体です。プラチナは鱗が分厚く透明で全身が白い個体で値段は30万~60万、その他特徴により100万円や300万の個体もいます(プラチナの証明がされると値段が跳ね上がります)。プラチナは黒水槽、でも白水槽でも明確に白を維持します。対してプラチナタイプはノーマルと比べて白いですが、白水槽でないと白を維持することができず、成長と伴いほとんどの場合、白水槽でも通常のグリーンアロワナ同様、背中は灰色になり、鱗の根元から真ん中まで翡翠色になります。他の金色を発色する種類と異なり、色のメリハリがない為カラーとしての人気は低いです。その為価格は2万~3万程度です。成長に伴う価格上昇もありません。プラチナグリーンアロワナはどのアジアアロワナよりも希少種です。高背金龍の金発色をしない個体に非常に似ていますが、鱗の根本が緑なのは唯一無二の特徴です。

その他値段が吊り上がる項目

ショートボディー(珍龍チンリュウ)(超珍龍チョウチンリュウ)

 一定の確率で産まれる頭や尻尾は通常サイズだが、胴体が短い個体です。おおよその値段に×2~3倍した価格が付きます。

ハイボディー(烈龍レツチュウ)(超烈龍チョウレツリュウ)

体高が広い場合名前が付きます。多くの場合、ショートボディーであるとされています。

寸詰まり(スンズマリ)

 ある程度の大きさから成長しなくなった個体でそれ以上大きくなりません。ただし、カラー変化は経過と共に変わります(すべてではないです)。小さい水槽でも飼育できる為通常価格の倍で取引されています。ショートボディーと異なり、頭の大きさや尾の大きさは胴体相応の大きさです。

ビックテール

 後ろのヒレの上下2枚が真ん中のヒレに被るほど大きな個体です。超希少個体ですが狭い環境での飼育結果であり、遺伝ではないと考えられています。ただし、ビックテールと付き背が曲がっていない、顎がしゃくれていない場合、通常価格の1.5倍の値段が付きます。ただし、紅龍の場合はほとんどが尾がかぶっている為値段に影響はありません。

豚系、スプーンヘッド

豚系は頭は小さいが胴体がデカい(体高が長い)個体です。スプーンヘッドは頭の先から背中までの流れがしなやかで、他の個体より口先が上に上がっているのが特徴的です。紅尾や特定の種類に多く存在します。

胸ヒレが長い

 先に説明しましたが、胸鰭(顔に近いヒレ)が長い場合、宗教的、風水的に価値の高いものとなります。ただし、養殖魚で胸鰭が長い場合、臆病な個体であると考えられています。自然界での魚には同種と比べて胸鰭が長い場合は「瀬渡セワタリ」と言い、長距離移動を行う特殊個体です。本来は生まれた場所から移動はしないが、極稀に、生まれた場所を離れて他の場所に移動を続ける特殊体がいます。それらは胸鰭が発達し筋力が強く健康体が多いと考えられています。

アルビノ

 バンジャールレッドのアルビノなどは黄色いアロワナとなります。その為、黄色のアロワナの人気が高まりました。価格で500万~1000万ですが、まず輸入はありません。中国などが日本とは比較にならない金額で購入するからです。

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