爬虫類ってなに?:爬虫類飼育初心者ガイド

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爬虫類ってなに?:爬虫類飼育初心者ガイド

はじめに

 爬虫類の飼育方法について興味を持っている方も多いでしょう。最近は爬虫類ブームが巻き起こっていますね。これまでペット選びで悩むときは、「犬?猫?鳥?」と考えることが一般的でしたが、今では「犬?猫?爬虫類?」という選択肢が増えているのが、飼育者として嬉しいですよね。

ただ、爬虫類の飼育方法は、種類によって大きく異なることをご存知でしょうか?今回の記事では、「爬虫類を飼いたいけど、具体的にはどんな生き物なの?」という疑問を持っている方に向けた内容をお届けします。これを機会に爬虫類の魅力にハマっていただければ幸いです。

爬虫類かそうでないか:特別な生き物!爬虫類!

まず、爬虫類とは一体何でしょうか?蛇も爬虫類であり、トカゲも爬虫類です。実は、亀やワニも爬虫類なんですよ!一般的に、「爬虫類」と言うと、蛇やトカゲをイメージする方が多いかもしれませんが、実は亀やワニも含まれています。それでは、爬虫類についてもう少し詳しくご紹介しましょう。

爬虫類の特徴

爬虫類は、冷血動物の一種であり、鳥類や哺乳類とは異なる特徴を持っています。彼らの外皮は鱗(ウロコ)で覆われており、自分で体温を調整する能力がありません。そのため、飼育環境では温度や湿度を適切にコントロールすることが非常に重要です。

ケージ内には、UVAおよびUVBを放出するライトを設置することで、彼らの代謝や免疫機能をサポートし、健康を維持するのに役立ちます。また、ヒートパネルやヒートコードという特別な加熱器具を使用して、ケージの一部分を温めることで、爬虫類が適切な体温を保ち、快適に過ごせる環境を提供します。

さらに、爬虫類には様々な種類があり、それぞれに適した飼育環境や餌が異なります。したがって、飼育を始める前に、その種類に合わせた飼育方法をよく調べ、適切な環境を整えることが大切です。

爬虫類の種類

爬虫類には、以下のような主な種類があります。

ヘビ:コーンスネークやボールパイソンなどが人気です。女性にはセイブシシバナヘビが大人気です。
トカゲ:日本ではレオパードゲッコーやクレステットゲッコーが初心者にオススメです。世界でみるとフトアゴヒゲトカゲ(ビアードドラゴン)が爬虫類の中で一番の人気と言われています。
カメ:ミシシッピアカミミガメやホシガメが家庭で飼いやすい種類です。(
ワニ:日本では新規での飼育は不可能になりました。

爬虫類との人生:犬猫より長い時間を共有する

爬虫類は、犬や猫と比べて非常に長寿であることが特徴のひとつです。犬や猫の寿命はおおよそ10年~13年程度ですが、爬虫類の場合、多くの種類が15年~20年以上生きることが一般的です。飼育環境が適切であれば、さらに長く生きることが可能であり、動物園で飼育されている爬虫類の中には、60年以上生きる個体も存在します。

このように、爬虫類は長い期間を共に過ごすペットとなるため、飼育を始める前には、その種類に適したケアや環境整備について十分にリサーチすることが重要です。また、長寿であることから、ペットとしての責任や継続的なケアについても考慮しておく必要があります。

爬虫類との一日:お互いの時間は大切に

爬虫類の飼育において、他の動物と大きく異なる点のひとつは、なるべく触らないことが望ましいとされていることです。爬虫類と直接手で触れ合うことを「ハンドリング」と言いますが、基本的にはストレスを与える可能性があるため、避けることが推奨されています。ただし、種類によっては適度なハンドリングが可能な爬虫類も存在します。

また、爬虫類の餌に関しては、毎日必要としない種類が多いという特徴があります。特に蛇の場合、幼体では3日に1回のペースで餌を与えることが一般的ですが、成長するにつれて1ヵ月に1回程度で十分な場合もあります。そのため、爬虫類の飼育では、餌の与え方や頻度にも注意が必要です。各種類の飼育方法を事前に調べ、適切な飼育環境を整えることが大切です。

爬虫類専用の道具

爬虫類は専用の道具が多く存在します。それ故、ケージをDIYで自作したり。餌を自分で作ったりします。犬猫にはないですよね?

主な爬虫類の道具を紹介します。

  • 竹製ピンセット(給餌用)
  • ケージ:自然界を再現してケージ内に植物を植えたり(テラリウム)、コンセプトを考えて夢の国を再現できます。爬虫類毎に最適な広さが異なります。
  • バスキングライト:UVAとUVBを発するライトです。UVAは朝昼の区別をさせ体の温度の調整の役割があり、UVBを当てることで、カルシウムの吸収の促進を行います。(昼行性爬虫類に必要なことが多いです。)
  • エサ入れ、水入れ:爬虫類は蛇を除きほとんどの生き物は直接与えることは少ないです。
  • シェルター:多くの爬虫類がシェルターと言われる、狭くて暗い場所が必要です。これはストレス軽減の為、ほとんどの爬虫類で用意する必要があります。中には湿度が重要な爬虫類はウエットシェルターと言われるレンガ質のシェルターを使います。水入れに水を入れて置きシェルター内、ケージ内の湿度を高めるものがあります。
  • 床材:爬虫類の多くは犬用のペットシーツを使います。もちろん専用と言われる床材はペットシーツより管理は役に立ちますが管理のし易さや見易さからペットシーツを使う人は多いです。

爬虫類の餌の種類:生き餌はいらない

爬虫類の餌は多くの種類があります。ほとんどの餌が冷凍処理されている物がおおいです。

  • 冷凍マウス:冷凍されたハツカネズミの家畜用改良種でマウスと言われます。主に中型のトカゲやほとんどの蛇の餌として使用されます。爬虫類の成長によってサイズを使い分けます。
  • 冷凍ラット:冷凍されたノルウェーラットの家畜用改良種で、よくラットと言われます。主に大型のトカゲや、中型~大型の蛇の餌と利用されます。値段が高く、マウスと比べ栄養価が低い事からマウスを複数匹あげる事が多いです。
  • 冷凍ウズラ、ヒヨコ:冷凍処理されたヒヨコや冷凍ウズラを中型~大型のトカゲにあげる事が多いです。需要が他と比べると低く、栄養価はカロリーが低い事でかなり安価で売られています。基本トカゲや特定の鳥類しか食べない爬虫類にあげます。
  • 冷凍コオロギ:多くのトカゲ類で使用されます。特にレオパで重宝されます。冷凍状態でタッパーなどに入れて振ると手足や頭が取れるので、そのあと解凍して胴体をあげます。あげる時は種類に応じてカルシウム剤を付けないといけません。
  • ミルワーム・ジャイアントミルワーム:冷凍はアロワナ、乾燥はハリネズミやフクロモモンガの餌で使用しますが、爬虫類では生きた状態であげる事が多いです。コオロギより美味しいようで、拒食している子にあげる事が多いです。冷凍や乾燥より生きている状態の方が安いです。
  • 冷凍ピンクマウス:マウスの赤ちゃんです。蛇のベビーや小型の蛇、レオパの餌などで使用しますが、レオパに使用すると栄養過多になり糞にカビが生えてしまいます。

拒食や冬眠がある

爬虫類は、自分が餌を必要としないと判断した場合、餌を食べないことがある現象を拒食と呼びます。そのため、毎日餌を与える必要はなく、種類によっては毎日餌を与えると消化不良や餌を恐れて食べられなくなることがあります。

拒食が特に顕著に現れるのは、脱皮モードに入ってから脱皮が完了するまでの期間で、この間に餌を食べなくなることが一般的です。また、冬眠期間にも餌を食べなくなることが多いです。例えばボールパイソンは、通常週に1回程度の餌で十分ですが、脱皮期間の約10日間は餌を食べません。日本の冬は湿度が低下し、冬眠や拒食期間に入ることが珍しくなく、その間は餌代がかからないことがあります。

初心者向けの蛇として人気のコーンスネークは、脱皮期間中でも餌を食べる個体が多く、冬眠もしにくいため、初心者向けとされています。ただし、飼育環境や個体差によっては、これらの特徴が変わることがあるため、注意が必要です。爬虫類の飼育には、種類ごとの適切な飼育方法や環境を理解し、それに応じて対応することが重要です。

初心者におすすめの爬虫類

初めて飼うに適した爬虫類とそうでない爬虫類が存在しますが、これはインターネット上で得られる情報の量ではなく、飼い主がその爬虫類の健康状態を正しく把握できるかどうかが重要なポイントです。例えば、蛇に触れたことがない人がストレスに弱い樹上性の爬虫類を飼育する場合、度々触ろうとすることでストレスを与え、結果的に個体が木から降りた後に死んでしまうことが珍しくありません。

初心者に適した爬虫類は、飼育が比較的容易で、ストレスを与えずにハンドリングができるものが望ましいです。また、その種類の飼育方法や病気の兆候についての情報が豊富であることも、初心者にとっては大切な要素です。飼育を始める前に、その爬虫類の特徴や飼育方法を十分に理解し、適切なケアができることが大切です。これにより、ペットの爬虫類と飼い主の双方がストレスなく過ごせるようになります。

少し紹介:初心者向けの爬虫類

コーンスネーク

 初心者向けの爬虫類の代表種です。蛇と言う事で必要な道具が少なく、飼育している人が多い為、安価で販売されています。一般的に人間を噛む個体はいないと言われており、愛おしい顔をしています。拒食もしない個体が多いです。ただし、繁殖は少し難易度が高く、わざと拒食期間を作り冬眠期間を作らなければ繁殖行動を行わないことで有名です。

フトアゴヒゲトカゲ

 世界中で人気な種類です。鮮やかな色彩とかわいい顔が人気で、人懐っこい性格でハンドリングできるというのが人気です。餌も野菜などを食べることから、人間が料理で使った余った野菜をあげたりしています。

レオパードゲッコー

 飼育のし易さやハンドリングできる種類として人気があります。餌はコオロギで少し抵抗があるかもしれませんが、栄養バランスがとれる人口フードも販売されているので飼育していて問題が起こる事は少ないと言えます。

 

さいごに

爬虫類は魅力的で興味深いペットですが、飼育には責任が伴います。そのため、爬虫類を飼い始める前に、種類ごとの特徴や飼育方法を十分に調べ、適切な環境を整えることが重要です。また、飼育中も定期的に健康状態をチェックし、必要に応じて専門家の意見を求めることが大切です。

爬虫類との共生は、飼い主にとっても爬虫類にとっても充実した経験になるでしょう。どんなに小さな生き物でも、愛情と注意を払って世話をすることで、彼らとの絆を深め、素晴らしいペットとの時間を楽しむことができます。これから爬虫類を迎える方々が、正しい知識と情熱を持って、爬虫類との素晴らしい生活を送れることを願っています。