【徹底解説】ミュラーサンドボアの飼育方法|「地中のサメ」と呼ばれる潜り系ヘビの魅力
ミュラーサンドボアは、その名の通り砂の中を泳ぐように移動するボアの仲間です。結論から言うと、「厚く敷いた床材と、底面からの熱(腹部を温める)環境を用意できるか」が飼育の全てです。姿はめったに見えませんが、餌の瞬間に砂から飛び出す「アタック」の迫力は、他の蛇にはない野性味に溢れています。
本記事の前提条件
- 和名/学名: ミュラーサンドボア / Gongylophis muelleri
- 生息地: 西アフリカ(サハラ砂漠南縁、サヘル地域)
- 寿命: 15年〜20年
- 全長: オス 40-50cm / メス 60-80cm(メスの方が圧倒的に太くなります)
- 性格: 普段は大人しいが、掘り起こされると噴気音(シュー!)を出して威嚇することがある。
1. 飼育スタートの「必須チェックリスト」
立体活動は一切しません。「床面積」と「深さ」が重要です。
- 60cmのランチュウ水槽(または爬虫類ケージ)
高さは不要ですが、床材を深く敷くため、ある程度の深さが必要です。 - 細かい砂(またはアスペンチップ)
体が完全に隠れる深さ(最低5cm〜10cm)まで敷き詰めます。 - パネルヒーター
お腹を温めて消化を助けるため、底面の1/3〜1/2に敷きます。 - 重い水入れ
掘り返す力が強いため、軽いタッパーではひっくり返されます。
2. お迎えから飼育の「手順」
手順①:潜れる環境を作る
ケージに床材を厚く敷きます。彼らにとって床材の中は「シェルター」そのものです。隠れ家(シェルター)を置くよりも、床材を深くする方が落ち着きます。
手順②:ホットスポットの確認
砂漠の蛇ですが、ケージ全体を熱くするのはNGです。パネルヒーターの上(ホットスポット)と、何も無い場所(クールスポット)を作り、地中で温度を選べるようにします。
手順③:餌付けは「置き餌」から
臆病な個体はピンセットを怖がります。夜間に床材の上に解凍したマウスを置いておくと、いつの間にか引きずり込んで食べていることが多いです。
3. なぜ「ケニアサンドボア」と区別するのか?(理由)
ペットとして流通量の多いケニアサンドボア(*E. colubrinus*)に比べ、ミュラーは「鼻先のフックがより発達している(反り返っている)」ことと、「性格がやや荒い(野性味が強い)」傾向があります。
ハンドリングを楽しむというよりは、砂漠のハンターとしての生態観察を楽しむ玄人向けの種と言えます。
4. よくある失敗パターン【※重要】
失敗①:姿が見えないからと掘り起こす
「生きてるかな?」と心配になって毎日掘り起こしていませんか?
これは彼らにとって「天敵に巣を暴かれる」のと同じストレスです。餌食いが落ちる原因No.1です。姿が見えない=平和に暮らしている証拠です。
5. ミュラーサンドボア飼育のFAQ
- Q1. 噛まれますか?
- A. 普段は温厚ですが、給餌モードの時や、無理やり掘り起こした時に横っ飛びに噛み付くことがあります。毒はありませんが、歯は鋭いです。
- Q2. 砂とチップ、どっちが良いですか?
- A. 雰囲気重視なら「爬虫類用サンド(誤飲しても安全なもの)」、メンテナンスと安全性重視なら「アスペンチップ(広葉樹)」がおすすめです。砂は重く、掃除が大変ですが、本来の姿が見られます。
