温湿度(マラヤンブラッドパイソン)

マラヤンブラッドパイソンの温度・湿度管理|死因No.1「呼吸器疾患」を防ぐ湿度の黄金比

マラヤンブラッドパイソンの故郷は、マレー半島やスマトラ島東部の湿地帯やパーム油農園です。結論から言うと、「温度は低め(26〜28℃)でも耐えるが、乾燥にはめっぽう弱い」という特徴があります。乾燥した空気は、彼らの肺を蝕みます。

本記事の前提条件

  • 基本温度: 26℃〜29℃(30℃を超え続けると熱中症リスクあり)
  • ホットスポット: 30℃〜32℃(局所的に)
  • 湿度: 60%〜80%(常に潤いが必要)
  • 夜間: 25℃程度まで下がっても問題なし

1. 温度・湿度管理の「必須機材チェックリスト」

  • 暖突(Lサイズ推奨)
    床面積が広くなるため、全体を温める強力な上部ヒーターが必要です。
  • パネルヒーター
    お腹を温めるために必須ですが、低温火傷を防ぐためケージの外側に設置します。
  • 加湿器・霧吹き
    冬場はエアコンと暖突で湿度が20%台になります。加湿器を部屋に置くか、こまめな霧吹きが命綱です。

2. 理想的な環境構築の「手順」

手順①:床材で湿度を作る

キッチンペーパーでは湿度が保てません。ヤシガラ土(パームマット)やハスクチップを厚めに敷き、水を適度に含ませて「湿っているがビチャビチャではない」状態を作ります。

手順②:通気性の確保

高湿度=蒸れ、ではありません。空気が淀むと細菌が繁殖し、皮膚病(水疱症)になります。ケージの通気口は塞がず、空気の流れを作りつつ湿度を保つのがプロの技です。

手順③:温度勾配より「安定」

ボールパイソンのように明確な勾配を作るよりも、ケージ全体がほんのり暖かく、湿度が高い状態を好みます。体が大きいため、移動しなくても適温でいられる環境が理想です。

3. なぜ「乾燥」が即死につながるのか?(理由)

ブラッドパイソンの仲間は呼吸器系が非常にデリケートです。
乾燥した空気を吸い続けると、気管支や肺の粘膜が炎症を起こし、細菌感染(肺炎)を招きます。「ヒューヒュー」という呼吸音が聞こえたら、すでに危険信号です。日本の冬は彼らにとって過酷すぎるため、加湿対策は夏の冷房対策以上に重要です。

4. よくある失敗パターン【※重要】

失敗①:蒸れによるスケールロット(皮膚病)

「湿度が必要」と聞いて、床材を泥状になるまで濡らすのは間違いです。お腹の皮がふやけて細菌感染し、茶色く変色して壊死します。「床材の表面は乾き気味、中は湿っている」または「全身が入れる水入れがあり、好きな時に浸かれる」状態が正解です。

5. 温度管理のFAQ

Q1. 霧吹きは毎日必要ですか?
A. 床材の種類によりますが、湿度が60%を切るようなら毎日必要です。生体に直接かけるのではなく、壁面や床材に向けて吹いてください。
Q2. パネルヒーターだけで飼えますか?
A. 不可能です。体が分厚いため、お腹だけ温めても背中や肺まで熱が伝わりません。必ず空気を温める暖房(暖突やエアコン)と併用してください。