マラヤンブラッドパイソン飼育(種ハブ)

【徹底解説】マラヤンブラッドパイソンの飼育方法|「赤き飛ぶソーセージ」の魅力と覚悟

マラヤンブラッドパイソン(ブラッドパイソン)は、その名の通り「血」のように赤い体色と、太くて短い独特の体型から、コアなファンを魅了して止まない蛇です。結論から言うと、「湿度の維持と、太らせすぎない給餌管理ができるか」が飼育の全てです。かつては「荒い」と言われましたが、近年の繁殖個体(CB)は驚くほど大人しく、ペットスネークとしての地位を確立しています。

本記事の前提条件

  • 和名/学名: マラヤンブラッドパイソン / Python brongersmai
  • 別名: レッドブラッドパイソン
  • 寿命: 20年〜25年
  • 全長/体重: 1.5m〜2.0m / 10kg〜20kg(長さより重さが桁違いです)
  • 性格: CB個体は温厚だが、食への執着心は非常に強い。

1. 飼育スタートの「必須チェックリスト」

他の蛇とは「太さ」が違います。華奢な設備では破壊されます。

  • 90cm〜120cmの頑丈なケージ
    力強く壁を押すため、ガラス戸のロックが弱いと脱走・破壊されます。
  • 全身が入る「巨大な水入れ」
    彼らは水に浸かるのが大好きです。ひっくり返されない重いタッパーや陶器製が必要です。
  • 保湿性の高い床材(ヤシガラ・ハスクチップ)
    乾燥は呼吸器疾患の即死因になります。
  • ペットシーツ(大量ストック)
    「溜め糞」をする習性があり、一度の排泄量が小型犬並みです。

2. お迎えから飼育の「手順」

手順①:多湿環境の構築

ボルネオやスマトラに比べても、マラヤンは特に大型化し、代謝も活発です。ケージ内の湿度が60%〜70%を維持できるよう、床材を厚く敷き、加湿対策を行ってください。

手順②:ハンドリングは「下から支える」

非常に体重が重いため、体の一部だけ掴むと背骨や肋骨を痛めます。必ず両手、あるいは腕全体で、お餅を持つように下から支えてください。

手順③:トリートメント(立ち上げ)

幼体は意外とデリケートです。導入直後は高めの温度(30℃付近)と湿度を保ち、環境に慣れるまで触らずに様子を見ます。

3. なぜ「他のブラッドパイソン」と区別するのか?(理由)

以前は3種(マラヤン・ボルネオ・スマトラ)が亜種関係でしたが、現在は別種です。
その中でもマラヤンは「最も巨大化する(最大種)」かつ「色彩変異(モルフ)が豊富」という特徴があります。ボルネオやスマトラと混同して「120cmくらいで止まるだろう」と思っていると、丸太のような太さの2m級に育ち、飼育崩壊を招きます。

4. よくある失敗パターン【※重要】

失敗①:顔の前で手を動かす

視力が良くない代わりに、熱感知能力(ピット器官)が鋭敏です。暖かい手が目の前を横切ると「餌だ!」と反応して飛んでくることがあります。触る前はスネークフックなどで合図を送り、「餌じゃないよ」と教えてから触れてください。

5. マラヤン飼育のFAQ

Q1. 荒い個体が多いですか?
A. 昔の野生個体(WC)は「凶暴な蛇」の代名詞でしたが、現在流通しているCB個体は非常に落ち着いています。ただし、嫌なことをされると鼻息を荒くして威嚇する(噴気音を出す)ことがあります。
Q2. 初心者でも飼えますか?
A. ボールパイソンやコーンスネークより難易度は上がりますが、環境管理さえできれば可能です。ただし、アダルトサイズのパワーは凄まじいため、力に自信のない方には推奨しません。